北朝鮮、処理水めぐり反日扇動最近の報道により、北朝鮮が韓国内で運営する自国のスパイ組織に対し、東京電力福島第一原子力発電所の処理水放出に関して反日行為を扇動するよう指示する指令文を送っていたことが明らかになりました。この情報は、大量の指令文を証拠採用した韓国の裁判所の判決文を元にしています。北朝鮮が反日機運を利用し、韓国内の分断と日韓対立をあおっている実態が浮かび上がりました。
背景
韓国・水原地裁は昨年11月、北朝鮮の韓国工作機関・文化交流局の指示で在韓米軍基地の情報を収集したなどとして、国家保安法違反(スパイなど)の罪に問われたスパイ組織の男ら3人に懲役5~15年の実刑判決を下しました。判決によれば、組織のリーダー格である50歳代の男は、韓国最大規模の労組「民主労総」で傘下団体などを統括する担当局長でした。彼らは北朝鮮からの指令に基づき、反日行為を組織的に実行していました。
処理水放出を巡る指令
福島第一原発の処理水放出に関する指令があったのは、2021年5月上旬で、日本政府が放出を正式に決めてから約20日後のことでした。「反日世論をあおり、日韓対立を取り返しがつかない状況に追い込め。核テロ行為と断罪する情報を集中的に流せ」と、具体的な活動を指示していました。また、日本大使館周辺での抗議集会や日本製品焼却のような闘争を展開することも求めていました。
影響と反応
実際に韓国では、処理水放出に反対するデモが活発化し、東京オリンピックの開会式を前に市民団体などが抗議活動を行いました。また、日本政府が2019年7月に元徴用工訴訟問題への対応として対韓輸出管理強化に踏み切った際にも、北朝鮮は大使館への抗議活動などを指示していました。
今後の展望
北朝鮮の反日活動を含む「反保守、反米、反日」活動の指令は34件に上り、全体の38%を占めました。特に韓国の大統領選や総選挙、労組活動に関する指示が多く見られました。このような背景から、今後も北朝鮮が韓国内での分断を助長し、日韓関係を悪化させるための活動を続ける可能性があります。